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いざプロの領域へ! DTMerの君にすすめる珠玉のVSTプラグイン – コンプレッサ編

      2016/07/07


実は僕は以前、音楽を作ってお金をもらっていた時期がある。

音楽という大きなくくりで見れば大した規模ではなかったが、ジャンルというかそのニッチな業界的には古参で、それなりに大手と呼ばれるくらいには成長していた。

サイトをたたんだのはいつだったか、もう五年くらい前だろうか? 僕は音楽を作るのに苦痛を覚えるようになって、長いあいだ悩んだすえに、一時的に音楽制作から完全に離れることを決意した。

そして今、いろいろなことを試して生きてきて、ふたたび音楽を作ってもいいかな、という気持ちになりつつある。でも知っている人もいるかもしれないので具体的なことは何も言えない。

そこで、まあメジャーデビューだとかそういったことをもって初めてプロだという人は、今この場で回れ右して帰っていただくとして、そうではない、音楽でお金をもらうこと自体にプロ意識を見いだせる腰の低いストイックな人に向けて、当時僕が好んで使っていたおすすめのプラグインを少し書いてみようかしらとふと思った。

はっきりいって日本の音楽業界はとっくの昔にヤバイことになっていると思うが、それでも未来の音楽業界を俺が変えてやるぜというアツイ(無謀な)情熱のある人に対しては、じっさい心から応援したいと思っている(まあ正直そういう人は最初から海外を考えたほうがいいよ)。

これから音楽の世界へ入っていこうという人を僕は応援しよう。

で、手持ちのものを一度に全て書くのはとても無理なので、一つか二つか、それはともかくも、ゆっくりと記録していくことにする。

なお、感想などはあくまで個人的な経験や好みからくるものなので、正しい正しくないという意見は正直どうでもいい。

まずはコンプなしのノーマルだ!

まずはコンプをかましていないドラムのサンプル(手抜き制作でなんだが)を聴いてみよう。-0.2dB程度でおさえたものをノーマライズしただけのもの。

音量にはご注意を。

これを基準に見ていこう。

ちなみにFirefoxなどで再生できずSoundCloudへ移動してしまうときは、再生ボタンの位置で何度かクリックしてみてください。解決するかもしれません。

Brainworx – bx_XL

bx_XL

続いてBrainworxのbx_XLというマスタリング向けリミッタを挟んだもの。効果をわかりやすくするために全体的にかなり深めにかけている。

聴けばわかるとおり、い~い感じにスネアのオイシイ鳴りが伸びているし(使い道的には曲にもよるが)、Brainworxではお馴染みのXL機能(サチュレーション)を効かせると、立体的にい~い感じに音圧があげられる。

ちなみにこの「いい感じ」という感覚だけど、結局のところこれがいちばん大事だと僕は思っている。

確かに有名な機材やプラグインにおいて、業界的なレベルでこの設定がベター、この設定が最高というのは現実に存在しているが、だからといってそれを無条件に崇めるのもおかしな話だし、自分の気に入ったサウンドを作ることこそ、明日の成長に繋がる必須条件だろう。

で、サチュレーションとかサチュレータといったら、アナログ機材を通したときのような暖かさを与えるものという感があるんだが、このXLはむしろ倍音を付加するエンハンサに近い手触りを持っていて、特有の味付けをサウンドに添加するという、個性を感じさせる独特の雰囲気のある機能だ。

しかもやたら音圧を稼いでくれる

はっきり言って、こいつを使うだけでもしょぼくれた音源が生まれ変わる可能性は大いにある。

クロスオーバーの設定やサイドチェインが効果的に使えるのでダンス系にもおすすめできる。

歪みについてはことさら言うことでもないが、かなりクリアに音を持ち上げてはくれるものの、効かせすぎるともちろん無駄に歪んでくるので注意が必要だ(別にどのプラグインでも言えることだが)。

サイトはこちら
https://www.plugin-alliance.com/en/products/bx_xl_v2.html

fabfilter – Pro-C Pro-L

Pro-C Pro-L

お次はfabfilterのPro-CとPro-Lだ。

Cがコンプレッサ、Lがリミッタで、どちらもWavesなども含むほかのプラグインと違って、特徴的なサウンドの色付けをすることなく、原音を大事に守りつつ美しく持ち上げてくれるので重宝する。

一応、スタイルでサウンドに4つのキャラクタを与えることができるが、どれもそんなに効いてる感がないというか、大ごとになるほどの差はないと思うので、やはりこのプラグインを使う場合は原音の良し悪しが大切になってくるだろう。

MS処理においてMidとSideのバランスを調節できるので、もちろんやりようによっては思い切り味付けをすることも可能だ。

また、コンプの効き具合や、リミッタを通した後の聴感はどの程度のレベルなのかといったことを、視覚的にグラフでリアルタイム表示してくれる機能があるので、どんな人でも直感的にわかりやすく使うことができる。これがやたらと便利だ。

マスターでがっつり持ち上げるような用途としては、単体で使うのではなく、むしろマキシマイズに効果的な別のプラグインと組み合わせて使うほうがいい。それぞれの良さを引き出すことができる。

サイトはこちら
http://www.fabfilter.com/products/pro-l-brickwall-limiter-plug-in
http://www.fabfilter.com/products/pro-c-2-compressor-plug-in

Softube – FET Compressor

FET

そしてお次はSoftubeのFET Compressorだ。

FET(電解効果トランジスタ)という名、そしてALLスイッチがあるところから、おそらく1176あたりを再現しているんだろうと思うが、サイドチェインにフィルタをかけたり、入力信号の先読み機能もある。

どんな音源にも対応できる柔軟さ、極めて透明感のある音、総合的なクオリティが非常に高い。

そして使い勝手がよく唸らされてしまったのが、Parallel Injectというつまみで、これは原音とコンプ音とのバランスを調節する機能だ。

これがまた便利で最高なんだな。例えるならば、原音のオイシイところとコンプ音のオイシイところ、両方ともごっそりいただけるような感じ。

何よりも、やはり特徴的なのは先程も述べた透明感で、この清々しさ、綺麗さはちょっとほかのコンプレッサには見られない。コンプとしてほとんど完成されたプラグインといっても過言ではない。

サイトはこちら
http://www.softube.com/index.php?id=fc

Waves L3-LL Multimaximizer

L3LLM

最後に、Wavesのマキシマイザ、L3-LL Multimaximizerだ。

これは個人的にはほとんどいつもマスターにぶち込んでいた(もちろん各トラックごとにも使用するが)。

Lシリーズのなかでも無駄な味付けが少ないので一番使い勝手がよく、5バンドではあるがマルチバンドで帯域ごとに処理を変えることができるので、設定によっては音を壊すことなくかなり音圧を稼ぐことができる。

何も考えず、とりあえずディザを切って、あとはスレッショルドを下げていく……というだけの作業でも無難に音をまとめることができてしまうあたりは、すばらしいクオリティだと思う。

L1やL2のような、使うと「その音」になってしまう音源汚し野郎よりも、こちらのほうが数段クオリティは上だ。

グラフがリアルタイムにびょんびょんゴムのように動いて、効果が視覚的に確認できるのも非常に便利。

L3には16バンドの上位版があるが、いくらか歪みやすいように思えてならなかったので、僕はもっぱらこちらを使用していた。

サイトはこちら。
http://www.waves.com/plugins/l3-ll-multimaximizer

現代の音楽制作の環境は最高だ

これまでいくつか厳選して挙げたが、どれもこれも第一線で活躍する、珠玉のプラグインである。

はっきり言って個人のDTMでこれほどのクオリティのプラグインを普通に使用できる現代というのは、ある意味とても恵まれた時代だと思うぞ。ただし金さえあればの話だが、音楽はもともと金食い虫だから、そのへんはしかたがあるまい。

とりあえず今回はこのあたりにしておこう。

でゅわっ!

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